今回はペンタックスMZシリーズのポップアップストロボの修理です!
MZシリーズはコンパクトかつ、やたら機種が多くて
何が何だか分からなくなりやすいシリーズですね笑
そのMZシリーズに共通する欠陥が2つ、
ポップアップストロボの故障とミラーアップです。
さて、このポップアップストロボは割と簡単に直せちゃうんです。
では準備する道具は…
・プラスドライバー
・ピンセット
・エポキシ系接着剤
の3つです!
今回直すのはこちら!
PENTAX MZ-5です。MZシリーズ初代の中級機です。
AEロックがなかったりオートブラケットがなかったりと
もう一歩なところもあります。
けれど、シャッターが静かでダイヤルが低く
スタイリッシュという利点もあります。
それにしても見事なストロボポップアップの故障ですね。
自立しないので半開きです。
今回修理するのはMZ-5ですが、
もちろんMZ-3などでも直せます。
では修理していきましょう。
※修理は自己責任でお願いします。
ストロボがポップアップしなくなるのは
プラスチックの軸が割れてしまうからです。
なので、移植手術が必要となります。
ドナーとなるカメラはこちら
MZ-30です。
今回はMZ-30ですが、
ストロボが正常ならMZシリーズのたいていどの機種でもオッケーです。
まずストロボを立ち上げます。
MZ-30は電池を入れなければストロボが立ち上がりません。
そして内側のネジ4つを外してカバーを外します。
外れました。
ネジは無くさないように
ご注意ください。
では次にトップカバーを外します。
下の写真のネジを外します。
ネジは計8本です。もちろんですがネジは無くさないよう注意!
そして、トップカバーを外します。
次に、ストロボ部の軸を外します。
ネジになってるので回せばオッケーです。
そうすると軸がポロッと出てきます。
↓これです。
破損のない綺麗な軸です。
赤い接着剤の跡は取っておきましょう。
では、MZ-5の方に移ります。
基本はドナーを分解した時と同じです。
まずストロボのカバーを外します。
続いてトップカバーを外します。
ネジの位置はMZシリーズで
だいたい共通しています。
これでトップカバーが外れます。
次にトップカバーと本体を繋ぐ導線をフリーにすることで
作業しやすくします。
はんだごてを使って外してしまってもいいのですが、
これだけのために使うのは面倒なのでいいでしょう。
下の部分で導線が本体に接着されていますが
外してしまいます。
次にトップカバーの内部の金具を止めているねじを緩めて、
黒の導線をフリーにします。
これで本体とトップカバーの間の距離が取れるので
作業しやすくなりました。
ここでドナーのカメラ同様、軸を外すのですが…
ストロボのロックが邪魔になってしまっています。
なので、先にこれを外さなければいけません。
トップカバーの内側から、下のネジを外して
金具を取ります。
金具を取ると下のようになっています。
バネとその下の金具も取ってしまいます。
バネは飛んでいってしまわないように注意です。
また、バネの向きも覚えておきましょう。
これでストロボの軸を外せるようになりました。
ネジを緩めます。
すると軸がポロッと落ちてきます。
うーん、見事な折れっぷりですね。
プラスチックの軸がバネの力に負けてしまって
折れてしまうようです。
こちらがドナーから摘出した軸とバネです。
さあこれを移植していきます。
ピンセットを使って
先ほど外した部分に軸を突っ込みます。
そして外側からネジで留めます。
次に、軸にバネ取り付けます。
ここが一番面倒なのでお気をつけください。
ストロボを手で立ち上げた状態で取り付けます。
バネの足が下の写真の位置になるように注意しながら
軸の割れ目にバネをはめ込みます。
ピンセットを使ってぐいっとはめてしまいます。
次にこのバネの足を、持ち上げてトップカバーの段差に引っ掛けます。
これでストロボのポップアップが復活しました。
このままだと、恐らくまたいつか軸が割れてしまいます。
ですのでエポキシ系の接着剤で補強します。
軸の先の割れ目の部分を、接着剤で埋めてしまいます。
それによって割れ目の両側が一体化されますので
簡単には割れなくなります。
接着剤で埋め終わったら、一応乾ききるまで待ちましょう。
あとは元に戻せば終わりです。
ここまで分解してきた手順の反対になります。
ストロボポップアップのロック金具とバネを取り付けます。
次に上から金具で留めます。
黒の導線の位置を整え、緩めていたネジを締めます。
導線を挟まないよう注意しながらトップカバーを閉じます。
外したネジを取り付けていきます。
ストロボのカバーも取り付けます。
そして…完成!
これでストロボのポップアップが使えるようになりました。
まあ、内蔵ストロボなんてほぼ使わないんですが…